数年前から協議され、今年採決する予定となっていたフィジーの国旗変更が見送りとなりました。
リオオリンピック 7人制ラグビーでフィジーのチームがフィジー史上初のゴールドメダルを取ったことがその背景にあるようです。
フィジーの国旗変更は、法務長官であるカイユーム氏が主導で行っておりました。
国旗変更の理由は、フィジーの国旗の一部にデザインされているユニオンジャックを外すことで、元イギリス領という国の位置づけを、太平洋諸国の一つという位置づけに変えたいというものでした。
また、カイユーム氏はイスラム教徒であるため、イスラム色の強い国旗に変えたいという意図があったという話もあります。
数多くのデザインからすでに23デザインまで絞られており、2016年の9月7日に最終国民投票が行われる予定となっておりました。
その国民投票直前にバイニマラマ首相が変更中止を宣言したのです。
Rio Olympics: Rugby gold medal prompts Fiji U-turn on flag change
RIOでのフィジー選手の活躍、そして国民が国旗を掲げて彼らを応援し、祝う姿にバイニマラマ首相は感動し、変更中止を決めたということです。
また、リオデジャネイロオリンピックで7人制ラグビーの表彰式でメダルの授与役をされていたイギリスのアン王女が2つのことに感動されたそうです。
一つは金メダルの授与の際、フィジーの選手はひざまずき、金メダルを受け取ると3回手をたたくという、フィジーの伝統的な敬意の表し方をしたこと、
そしてもう一つは、2つのユニオンジャックが表彰式で掲げられていたことに非常に感動したというエピソードもあります。
(ユニオンジャックの一つは2位だったイギリス、もう一つのユニオンジャックは1位となったフィジーの国旗にデザインされているユニオンジャック)
そのアン王女の逸話をバイニマラマ首相が聞いたのではないかという話もあります。
国旗を変えたがっていたカイユーム氏にとっては面白くない話かもしれません。(バイニマラマ首相はフィジー人、カイユーム氏はインド系フィジー人なので、ここでも人種の軋轢を感じます。)
いずれにしろなじみのあるフィジーの国旗が変更にならないということで、私としては心が落ち着きます。